c4j輪読会 貧乏人の経済学 第5回 第7章 レジュメ
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貧乏人に貸す(貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学)
裕福な人に比べて、貧乏人の方が利子が高い
ほとんどの発展途上国で売っている、「果物や野菜」は朝に仕入れ、夜に支払う(後払い)方式になっている
インドのチェンナイでは、一般の果物売りが朝に仕入れた1,000ルピー(購買力平価51米ドル)分の野菜の返済をするとき、平均で1046.9ルピーを渡すことになります。利息は1日4.69%
このループを脱出するべく、金を借りようにも、貧乏人だから利子が高くなる
銀行は貧乏人には触れたがらない
tks.icon国のよってはまともな金融システムやIDがなくて貸せなさそう
マクロ計画のためのマイクロ洞察
貧乏な世帯ほど、まともな融資機関から融資を受けない
インド地方部のウダイプールでは、貧乏人の3/2はお金を借りていた
そのうち23%は親戚、18%は金貸し、37%は商店主から。正規の融資期間は6.4%
へんなところから借りれば借りるほど、利子は高くなる
この問題は簡単には解決せず、過去にも政府出資で取り組んでいたりするが、現状では行われていない
? なぜうまく機能しないのか
債務不履行の高さ
債務不履行が高ければ高いほど、金利も上げざるを得ない(このフィードバックループは繰り返す)
与信の問題
貧乏人への融資で主要な制約は「彼らについての情報収集」
結果、彼らのことをよく知っている人たち(親戚・商店主...)から借りている
マイクロ融資はうまくいくのか?
借り手は2億人ほど
融資の管理コストを下げるイノベーションに取り組んだ
? 伝統的な金貸しとマイクロファイナンス機関の違い
返済の柔軟性が違う
1. 金貸し: 借り方・返済方法を選ばせる
2. マイクロファイナンス: 毎週一定額の返済
毎週の集会などで確認するコストが低く、管理コストが下がる
金貸しの柔軟な返済方法に比べて、融資担当者の教育コストもかからないためスケールする
マイクロ融資の限界
マイクロファイナンスの成果測定
マイクロ融資はうまくいくのか?
マイクロ融資の事業者自体のアピールが、個別事象で評価にはなっていないことも
評価はスパンダナがハイデラバード市の一部地域に拡張する機会を利用しました(12)。104の近隣地区のうち、無作為に52が選ばれてスパンダナが進出しました。残りは対照グループとしてそのままにしておきました。こうした二組の近隣地区で、スパンダナの融資開始から15─18カ月後に世帯を比較してみると、マイクロファイナンスがうまくいっているという明らかな証拠が得られました。スパンダナ融資のある近隣地区の人々は起業の確率が高く、自転車や冷蔵庫、テレビなどの大型耐久財を買う人も多かったのです。融資のある近隣地区で起業しなかった世帯は、消費額は増えていましたが、起業した世帯はむしろ消費額が減り、自分の使う分を減らしても機会を最大限に活用しようとしていました。一部の評論家が恐れたような、無謀な消費の明らかな証拠は見られません。むしろ正反対のことが見られました。世帯はちょっとした「無駄」な消費と自覚しているもの、例えばお茶やスナックなどの支出にはお金を使わないようになります。パドマジャの予想通り、彼らがいまや自分たちの将来を前より理解するようになったという徴かもしれません。
一方で、劇的な人生の変化は特に見られませんでした。女性がもっと力を得たように感じている証拠は、少なくとも計測できる範囲ではまったく見られませんでした。例えば家計の支出方法についてもっと口出しできるようになったりはしていません。また、教育や保険への支出も増えていないし、子供が私立学校に通う比率などにもまったくちがいは生じませんでした。新規の起業など、検出できるだけのちがいがあるときですら、その影響はさほどめざましいものではありません。この15カ月間で、新規に起業をした世帯の比率は5パーセントくらいから7パーセント強に上がった程度──ゼロではありませんが、革命的な変化とはとても言えません。
マイクロファイナンスがより大きな効果を上げるために
起業などの「投資」にお金を使う人が定量的に増えた
だが、「人生が変わったか?」というと微妙
貧乏だった人は、お金を借りれたとしても(すぐには)事業を始める意欲も能力もない
マイクロファイナンスのイノベーションである、"柔軟性がない"ところがスケールしない理由でもある
標準的なマイクロ融資モデルが厳格で細かく決まっているのは、グループメンバーたちが連帯責任を持つためであり、結果として、他人のことに口出しをしたくない女性は参加したがりません。またグループの構成員たちは、あまり知らない人をグループに入れたがらないので、新参者は排除されがちです。共同責任は、リスクを取りたい人には不利に作用します。グループの構成員なら、グループの他の人たちにはなるべく安全にふるまってほしいと思うのが常でしょう。週ごとの返済が融資翌週から始まるというのも、すぐにお金が必要でも返済がいつ始められるかはっきりとはわからない人にとっては、理想的とはいえません。マイクロファイナンス機関もこの点は認識していて、ときには緊急のヘルスケア費用などだと例外を設けますが、緊急融資が必要な理由は他にもいろいろあります。例えば、息子が就職機会をすごく高めるような講義を受ける機会に突然出くわしたらどうでしょう。ただしその学費は100万ルピー(購買力平価179米ドル)で、今度の日曜が期限です。おそらくは地元の金貸しから借りて、学費を払い、それから融資返済のために追加の職探しを始めることでしょう。マイクロ融資はこうした柔軟性を与えてくれません。
少し大きめの起業はどうやって資金調達を?
より大きな事業を作る起業家をどう育成するか
マイクロ融資は、大きめのリスクを取りたい借り手に貸すのは向いていない
伝統的な金貸しやマイクロファイナンスには大きすぎ、銀行には小さすぎる
中小企業について、マイクロファイナンス革命に相当するものを見つけるのはまだまだ難しい状態
銀行の構造的に難しい
もしかすると、VCはこれに当たるのではないかと思うtkgshn.icon tks.icon VCがあんまりない国、商売のオプションも少なそう(農家しかないとか)